こんにちはたくまろです。今回はご要望にお答えして、おすすめの統計学に関する教科書を10冊選びました。僕の場合は、統計学の方法論を研究したりしているので、どちらかというと数学よりで理論的にちゃんと説明されているようなものを選んでいます。
「統計学を一から勉強し直したい」
「どうして、こうゆう処理をするのか勉強したい」
まさにこうゆう人におすすめしたいです。
機械学習やデータサイエンスの分野でも統計学に関する入門書が数々出されていますが、結局どれがいいのか、数が多すぎて悩んでしまうとおもいます。10冊に絞ってみたので、よかったら参考にしてください。また絶版になっていたりして手に入らない本もあるので、今回はAmazonと楽天市場で手に入るものだけピックアップしました。
はじめて統計学の勉強はこれ
統計学入門
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価格:3,080円 |
学部の2,3年生で初めて、統計学および数理統計学を学びはじめるにあたっておすすめしたい一冊。
僕は学部の時に、学校指定の教科書を買わされたのですが、その教科書が行間が狭いし、数式をやたらと文中に書いたり、例題が分かりにくかったりと全体的に読みにく構成だったので、東大出版のこの教科書をつかって独学で勉強をしていました。
この本の良いところはやはりはじめてでも学びやすいところです。何が定義でどうゆう意味合いがあるのかをちゃんとまとめています。一つ一つの概念をじっくりと解説して、必要知識を付けさせてくれます。はじめて(数学的な)統計学を学ぶならおすすめしたい一冊です。
数理統計学の基礎
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価格:4,620円 |
数理統計学の基礎と書いていますが、この本は若干難しい内容になっています。なのではじめて読むには難しいかもしれませんが、より情報理論について詳しく述べています。特にフィッシャー情報量に関する記述が充実しています。
上記の本では、カバーできない部分や数学的に難しく扱っていなかった内容にも触れています。僕は、ちょっと難しめのレポートが出た時によく助けてもらいました。より、深い内容を学びたい方や数理統計学の勉強し直しにおすすめです。
古典的な多変量解析を学ぶなら
多変量解析入門
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価格:3,850円 |
一変数の統計学は理論的に与えている本はたくさんありますが、多変量において理論的な部分を言及している本は少ないです。しかし、この小西貞則の多変量解析は理論的な部分の説明をしっかりとされているため、他の多変量解析の本に比べると僕は数学的な疑問をちゃんと解決して読むことができました。また、誤植も少なく読み易いのもこの本の特徴の一つです。
ある程度、統計学の基本的な仕組みが分かってきて、重回帰分析や判別分析、情報量基準などの次のステップを読みたい方におすすめの一冊です。
数学的な問題はこれがおすすめ
統計学のための線形代数
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価格:9,680円 |
おそらくこれ一冊あれば、統計に関する数学的な問題を解決できると言っても過言ではないぐらい助けて貰った一冊です。結構、高くて買うのが億劫でしたが自分の手元に一冊あればすぐに、だいたいの疑問を解決できるので買ってしまいました。
「統計学で線形代数ってつかうの?」と思う方もいるかもしれませんが、むちゃくちゃ使います。特に共分散行列の固有値・固有ベクトルを解析したりする上で、線形代数は必要不可欠です。他にも、ベック作用素やクロネッカー積といった特殊な演算の性質をまとめているので、証明などで使うことも多々ありました。
理論的に統計学を学ぶなら、強い味方になるでしょう。
これなら分かる最適化数学
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これなら分かる最適化数学 基礎原理から計算手法まで [ 金谷健一 ] 価格:3,190円 |
統計学を学ぶ上で最適化の問題は切り離せない問題の一つです。しかし、統計学の教科書では最適化の手法はあまり説明しないことがよくあります。そのため、名前はしってるけどどうゆう方法かよく分からないことがあります。でも、最適化を一から学ぶのって結構面倒ですよね。
この本は各パートごとに読んでも、読みやすくておすすめです。そのため、知りたい最適化手法の部分だけを読んでも十分に理解できます。証明も凄い厳密なものではないですが、ちゃんと書かれているためしっかりと疑問を解決してくれます。
ラグランジュの未定乗数法やKKT条件の証明や最適化のアルゴリズムなどについて、数値解析の本で調べるよりも、この本を使って勉強した方がより早く学べると思います。統計学のために作られたものではないですが、それでもさまざまな場面で使いました。
機械学習をはじめて学ぶなら
パターン認識と機械学習
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パターン認識と機械学習(下) ベイズ理論による統計的予測 [ クリストファー・M.ビショップ ] 価格:8,580円 |
機械学習の方法論をまとめた本なのですが、一つ一つのセクションが基礎的な内容から、応用までさまざまなな物を紹介しています。なので、かなりボリュームがあります。その分、ここに機械学習のほとんどが網羅されているので一冊手元にあってもいいかなと思い買いました。
上と下を買ったのですが、下だけでもいいかもしれません。はじめから読まなくともセクションだけの内容でも十分理解可能なので、はじめから読むというよりも必要に応じて使っています。
ちなみに、Amazon KindleのUnlimited会員になれば英語版ですが無料で読むことが出来ます。
ベイズ推定による機械学習入門
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機械学習スタートアップシリーズ ベイズ推論による機械学習入門 (KS情報科学専門書) [ 須山 敦志 ] 価格:3,080円 |
ベイズ推論に特化した教科書です。ページ数が多いですが、はじめからでもサクサク読みやすいです。パターン認証の本でもベイズ推論は扱っていますが、こっちのほうが断然読みやすいです。事前分布とか事後分布の違いってなに?って思ったら読んで欲しいです。とても分かりやすいです。ベイズ推論をはじめて学ぶならおすすめしたい一冊です。
スパース推定法による統計モデリング
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スパース推定法による統計モデリング (統計学One Point 6) [ 川野 秀一 ] 価格:2,420円 |
スパース推定は高次元データを扱う上で良く知られている方法です。スパース推定自体は本当にさまざまな種類があり把握しきれていなかったので、この本を使って勉強しました。この統計学One Pointシリーズはページ数が少ない中で重要なものをピックアップしてくれるので、代表的な方法を素早く学ぶことができます。数学的な部分の説明は若干少ないですが、そうゆうものだと思ってみれば苦ではないです。スパース推定をはじめるにあたってまずおすすめしたい一冊です。
ガウス過程と機械学習
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価格:3,300円 |
Amazon 楽天市場
ガウス過程は簡単に言うと、正規分布を予測変数(応答変数)に仮定した時系列データです。非線形なモデルに対しても使える手法で、便利な手法です。この教科書では、単純にガウス過程の手法いくつか紹介するだけではなく、データ数を減らして計算量を少なくするような方法や教師なしでの推定方法等にも言及されています。おそらく、和書ではこれほど詳細な本は他にないと思います。
また、1~3章は線形・非線形回帰の勉強にもなるので、回帰分析が分からない人でも読みやすいです。ガウス過程がよく分からない人でもイメージがしやすく、初学者におすすめしたい一冊です。
統計学をつかって解析を進める人へ
入門統計的因果推論
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入門統計的因果推論 Judea Pearl/〔著〕 Madelyn Glymour/〔著〕 Nicholas P.Jewell/〔著〕 落海浩/訳 価格:3,630円 |
これは、統計を道具として扱う人におすすめの一冊、数学的にそこまで難しくないので、理系だったらある程度読めるようなレベルになっています。この教科書の良いポイントは実践的にどのように使うのかというものを教えてくれます。
いままでの本はどちらかと言うと方法論の紹介に多くのページを使っていました、この因果推論の場合は実際に使うことを想定して作られているので、統計を道具として使う人に読んで欲しい一冊です。因果推論だけ?と思うかもしれませんが、因果推論ができるのであれば現象の原因と結果が分かるということなので、解析のほとんどが終わったようものです。(※自論です。)
他分野の学生の卒研を手伝ったすることがよくあるのですが、この教科書に載っているような方法を使えば、だいたいの統計的な問題(どうゆう比較をすればいいの?)を解決できると思います。
もう10冊紹介しましたが、他にも
時系列解析
時系列解析でおすすめしたい本が和書では少なく、J.D.ハミルトン「時系列解析」(2006)とかがおすすめですが、もうこの本は絶版になっていて手に入れることができませんでした。Amazonに原書は売られていますが、和訳の方が個人的には好きなので図書館や中古で探してみてください。和書は上と下に分かれていて、上巻では定常モデルを下巻では非定常なモデルを扱っています。時系列解析で必要なことをすべて教えてくれる良書です。
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新品価格 |
まとめ
今回はおすすめの統計学の教科書について紹介しました。この分野は最近発展しており、さまざまな本が新たに出版されるようになりました。ただ数学的にちゃんとした本は少ないため、良い教科書を選ぶ力も必要ですね。
ほかにも
【初心者におすすめ】はじめての統計学におすすめの本【統計学入門書】
【数学専攻がおすすめ】数理統計学おすすめの本10選【数理統計学入門】