こんにちはたくまろです。
今回紹介するおすすめの本は、50年以上昔に出版された松坂 和夫 (著)の『集合・位相入門』です。
良書の中でも良書で、私が学部1年生の時もこれで勉強しました。
私はこれで、証明の書き方や流れを学んだといっても過言では無いです。
数学科1年生や集合論をきちんと学んだことがない人に是非読んでほしい一冊です。
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『集合・位相入門』の概要
集合論について
集合といえば、高校数学で習ったことも多いかもしれません。
高校までの集合はベン図を書いて、共通部分の要素を求めたりしたのではないでしょうか?
大学数学では、集合の集合(集合族)を考えたり、違う種類の無限を比べてみたり、順序というものを定義したりと、様々な拡張を行って、より抽象度の高い議論が展開されています。
さらに、集合に構造を導入することによって出来たものが位相空間です。
位相というのが集合での構造になっており、トポロジーと読んだりもします。
位相が決まると、色々と扱いやすくなり、同じような空間同士で変形させたり、空間に別の空間をはりつけたりも出来ます。
多分、ほとんどの人が何を言ってるかわからないと思うので、詳しいことは本を読んでください。
本書の構成
第1章 集合と写像
第2章 集合の濃度
第3章 順序集合、Zornの補題
第4章 位相空間
第5章 連結性とコンパクト性
第6章 距離空間
前半の第1〜3章は集合について書かれています。数学の基本となる集合と写像の知識から始まり、濃度、順序集合へと続き最後にZorn(ツォルン)の補題や選択公理についてまとめられています。
後半の第4〜6章は位相について書かれていますが、結構難しいです。というのも、位相空間と言うのがイメージしにくいからです。別の本で学んでから、読んでも良いかもしれません。(※距離空間から先にやっている本を選ぶといいかも)
『集合・位相入門』おすすめポイント
Point1:証明が丁寧で、理論の穴がない
一つ一つの証明が丁寧で、証明の書き方や流れがとても参考になりました。
最初のうちは、飛ばしてしまいそうな単純な部分もしっかりと説明されており、理論の穴がないのが特徴的。
大学数学に触れたことがない人でもすらすら証明を読むことができ、基本の力が身に付くこと間違い無いでしょう。
どんなに難しい問題でも丁寧に証明や説明がされています。(たまに、読者に任せることもあります笑笑)
Point2:ミスがほとんどない
数学書でミスはよく見られることなのですが、この本はほとんどミスが無いです。
そのため、50年以上たった今でも教科書として使われているのでしょう。
非常に信頼のおける本だと思います。
Point3:独学にピッタリ
そして、独学で読むのにもこの本はおすすめです。
間違った理解を導かない、一意的な文章のおかげで、私もほぼ自力で読破しました。
大学数学に興味があるけど専門ではない人や、自分の数学の世界を広げたい人でも比較的読みやすいと思います。
高校数学がある程度分かれば理解できるレベルなので、ぜひ数学科以外の人で集合論に興味を持っているならオススメです。
なお、位相の方は結構難しいです。
リメイク版の出版されています
オリジナルの方は現在、絶版になっており、リメイクされた本が出版されています。
内容的にはそこまで、大きな違いはありませんが、集合族の記号で使うドイツ文字が印刷機の性能の問題で、綺麗になっています。こちらも、おすすめしておきます。
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まとめ
今回は、おすすめの一冊ということで松坂 和夫 (著)の『集合・位相入門』を紹介しました。
Takumaro’s blogでは他にも初学者向けの分かりやすい本を紹介しています。
良かった、ご覧ください!!
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