こんにちはたくまろです。
今回紹介するおすすめの本は、千葉逸人 (著)の『ベクトル解析からの幾何学入門』です。
現在は改訂版が出版されていますが、初版は著者が博士課程の時に書いたもの。
大学院時代に、本を書くなんてすごいですよね。
数学科や物理学科にオススメの理論的にコンパクトにまとまった一冊です。
難し過ぎず、尚且つ簡略化し過ぎないちょうど良いレベル。
「ベルトル解析の理論的な本が難し過ぎて挫折した…」
そんな方におすすめの本となっています!
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『ベクトル解析からの幾何学入門』の概要
ベクトル解析について
ベクトル解析は物理現象を解析するために生まれた数学の一分野です。
物理現象を数式を持って理解することができれば、定量的に現象の予測することができます。
特徴的である概念を一つ紹介します。それは、ベクトル場と言われる空間です。
ベクトル場は、座標ごとに方向がベクトル形式で与えられいる空間です。
例えば、風向きと風量などもベクトル場の考え方と一緒です。
他にも、電場や磁場にも同じようなにベクトル場になっています。
ベクトル解析は物理学を学ぶ上で避けては通れません!
その足掛かりとして、『ベクトル解析からの幾何学入門』は最適です。
本書の構成
ベクトルの内積と外積
曲線論
曲面論
勾配(grad)、 発散(div) と回転(rot)
ポテンシャル論
線積分と面積分
積分定理
微分形式からの曲面論
ガウス・ボネの定理
オイラー・ポアンカレの定理
本書の後半からは微分形式が登場します。微分形式を学べば、計算が楽になるし、書く量も少なるなります。
また、微分形式を導入すれば、高次元空間における証明ができるようになるので、勉強していて損になることはないはずです!
『ベクトル解析からの幾何学入門』おすすめポイント
Point1:厳密な証明よりも、分かりやすい説明
この本では、理論的ではあるのですが、数学的な厳密証明にこだわりません。
それよりも、分かりやすい説明を重視しています。
例えば、一般のn次元で証明するのではなく、n=3の場合に限った説明をしたりしてイメージがしやすいものをピックアップして紹介しています。
おそらく、ベクトル解析を学ぶ人で厳密に証明を学びたい人は少ないのでないでしょうか。
また、必要な証明などは、参考文献や具体的な証明の方向性を示しているので、その辺りが気になる人も疑問を自力で解決出来るでしょう!
テンポよく、必要な箇所を学びたい人におすすめです。
Point2:例題と章末問題がたくさんある
例題などもたくさん用意されているので、使い方と合わせてしっかりと学ぶことができます!
そして、章末問題には答えがある(感動)
解答が略されているものもありますが、そもそも答えがついていないような本が多いので、助かります(T T)
Point3:コンパクト
たった、220ページでベクトル解析で必要な演算や積分定理と微分形式を学ぶことが出来るのはこの本ぐらいです。
多様体やホモロジー論などを学ぶ上で必要な知識を上手く取捨選択されています。
微分形式の部分の、簡潔にまとめられており、導入の内容として十分すぎる。
初学者でも一ヶ月程度で読める分量になっています。
まずこの本を読んでから、厳密性の高い本や微分幾何の専門書に取り組むことをおすすめします。
まとめ
今回は、おすすめの一冊ということで千葉逸人 (著)の『ベクトル解析からの幾何学入門』を紹介しました。
Takumaro’s blogでは他にも初学者向けの分かりやすい本を紹介しています。
良かった、ご覧ください!!
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